通販やドラッグなどのセルフ販売では、わかりやすいコンセプトが支持されますが、意識が高い消費者がターゲットとなる百貨店ブランドは、ヒネリのあるコンセプトが求められます。
そんなヒネリコンセプトの法則に「悪いものを排除する××」というのがあります。
今回は2月末~3月に発売された新商品より、その事例をご紹介したいと思います。
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①悪いものを排除し、良いものを引きこむ化粧水「医白水」
パルファム ジバンシイ(LVMHフレグランスブランズ) 『ジバンシイ DW10 ホワイトニング ローション』
200ml 6,500円 (医薬部外品) 2014年3月7日発売
パルファム ジバンシイは、落しものではなく化粧水でありながら、悪いものを排除し、良いものを引きこむ「マイナス導入」という発想です。毛穴の奥から黒ずみを取り除きながら、医白成分を肌深くに届けるので、使えば使うほど、白さが昇華していくというストーリー。
このシリーズは「肌色を治療するというドクターのアプローチや医学的視点から開発された『医白』シリーズ」で、この化粧水も『医白水』と名づけられていたりと、造語によるヒネリが好奇心旺盛な消費者の心をそそります。
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②大気汚染など外的ダメージもブロックする日焼け止め
『イプサ プロテクター センシティブ』
30g SPF30・PA+++ 3,200円 2014年3月1日発売
悪いものを排除するといえば、今年は紫外線だけではなく、さまざまな環境に配慮した日焼け止めが続々登場しています。こちらもそのひとつです。
pm2.5などの大気の汚れと、花粉の時期があいまって、アレルギー症状が肌からも感じられるという話も聞かれる昨今です。それに対応したプロテクトアイテムのニーズも高まるのは当然といえます。
また、陽射しの強さを実感するのは5月頃ですから、3月から発売する新製品を使ってもらうなら環境の悪影響を排除するというのは中々のアイデアではないでしょうか。
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③皮膜感のない、つけ心地の良さを追求した日焼け止め
クリニーク ラボラトリーズ 『クリニーク イーブン ベター ダーク スポット ディフェンス 45』
全2色 30ml SPF45・PA++++ 5,200円 2014年2月28日発売
ところで、日焼け止め分野の基本に戻って「悪いものを排除したい」といえば、日焼け止め特有の皮膜感によるつけ心地の違和感尽きるのではないでしょうか。
各社、さまざまな品質改良を加え、塗布感の良いものが続々と出ていますが、それをうまく訴求できているのがこちらです。独自の「インビジブル スクリーン(TM)」技術により、まろやかにのびて素肌にピタッと密着するという医療用パッチにヒントを得た新技術だとか。
「空気のように軽く透明なメッシュ状のフィルムにより、何もつけていないような夢のつけ心地を実現」と言われれば、思わず試してみたくなりますから、消費者の心理をうまく捉えています。
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★「週刊粧業」にもコラム連載中です!
2014年4月28日発行号の「週刊粧業」にこちらの記事が掲載されました。