しばらく続いた不景気によって、長らく化粧品市場では「キャッチコピーの上手さと価格の安さ」のプチプラ商品がヒット傾向にありました。しかし、回復傾向になった昨年から、中高価格帯ゾーンの市場が活気づいてきたように思えます。
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①新しいテクスチャーのハイテクファンデーション
『パルファン・クリスチャン・ディオール ディオール ディオールスキン ヌード エアー フルイド』
全4色 各30ml SPF25・PA++ 6,300円 2015年3月20日発売
『イヴ・サンローラン ボーテ タン アンクル ド ポー』
全7色 各25ml SPF18・PA++ 6,500円 2015年3月6日発売
例えば、今年のクチュール系ブランドのファンデーション、続々とハイテクな機能のものが登場しています。「ディオール」の新ファンデーションは、エアーフルイドというネーミングの通りのテクスチャーで「オイルなのに、こんなに軽いの!?」と編集者やライターの間で話題になったとか。
「イヴ・サンローラン ボーテ」の新ファンデーションは、肌の上でリキッドがパウダー状に変化するテクスチャーで、すぐしみこみ、有効成分を残して蒸発するインクのメカニズムを応用した全く新しいファンデーションです。
両方とも肌に乗せてすぐわかる新しいテクスチャーで、キャッチコピーの上手さでごまかす商品とは一線を画する真の実力アイテムです。
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②マイナスの要素をプラスに転じるテクノロジーを搭載したUVケア
『ロート製薬 オバジ オバジC セラムファンデーション』
全5色 各30g SPF30・PA+++ 3,000円 2015年3月10日発売
『資生堂インターナショナル SHISEIDO サンケア パーフェクト UVプロテクション N』
50ml SPF50+・PA++++ 4,500円 2015年3月1日発売
また、夏対策ケアの新しい動きは見逃せません。汗や紫外線など、マイナスの要素をプラスに転じるテクノロジーが化粧品開発の中で注目されています。「オバジ」の新UVケアは、ロート製薬が独自に開発した紫外線を吸収すると赤く発光する“トーンチェンジパウダー”を配合し、赤い光が凹凸をカバーするだけでなく、血行を促進するという新発想、新技術。紫外線=ひたすら避けなくてはいけないものだった紫外線との付き合いを変える商品です。
また、「SHISEIDO」の新UVケアは、汗や水で紫外線防御膜が強化する新発想の日焼けどめです。独自のウェットフォース テクノロジーにより、サンスクリーンと汗や水に含まれるミネラルが結合することで、紫外線防御剤もとりこまれて防御膜が塗りたての状態よりさらに均一性が高まり、防御膜が強化するというメカニズムだとか。従来のウォータープルーフタイプといえば、汗をかいても水を浴びてもUV効果を落とすことなく、紫外線から素肌を守り抜くというものでした。
新テクノロジーコスメの豊作シーズンの2015年春、化粧品企画コンサルタントとしてのみならず、いち消費者として久しぶりにワクワクした気持ちになりました。
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★「週刊粧業」にもコラム連載中です!
2015年4月27日発行号の「週刊粧業」にこちらの記事が掲載されました。