今回は、その季節ならではの消費者のニーズに合わせた、かゆいところに手が届くアイテムに注目。
そこで、2013年12月~2014年1月に発売された新商品より、「季節密着型の××」というヒットの法則をご紹介します。
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①冬の乾燥対策:スマホしながらできるハンドケア
『シャンティデュカート ハンドケアグローブ(スマホ対応)』
27g ¥1,200 12月24日発売
寒い時期にニーズが高まるアイテム№1といえばハンドケアですが、こちらは、スマホしながらできるハンドケアです。
天然エモリエント成分・スクワランを練り込んだ繊維を使用した、ハンドケアグローブを、そのまま、あるいはハンドクリームなどの塗布後に着用して就寝すれば、眠っている間にケアができます。
眠る直前までベッドの中でスマホをいじるという人も多いので、スマホ対応したケア手袋はニーズも高いはず。「ハンドクリームの油分でスマホが触れない」「でもクリームを塗らないと、手指がカサつく(そして乾燥しすぎた指だとスマホが反応しない…)」という不満を解消する好アイテム。
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②春先の花粉対策:花粉症専用ミスト
『翠松堂製薬 YUCCA ウォーターヴェール』
40ml ¥1,500 1月17日発売
続いて、春先にもっともニーズが高まる花粉対策に着目したアイテムを。シュッとスプレーするだけで、花粉から鼻・肌を守る花粉症専用化粧水です。こちらは、花粉キャッチャーが顔に付着した花粉をコートすることで、破裂して中のアレルゲンが放出するのを防ぐというもの。
花粉症対策のコスメといえば、鼻水や涙で荒れた肌をケアする「後ケア」系や、鼻づまりを軽減するアロマなどが思い浮かびますが、これはかなり薬寄りの予防系。それもそのはず、製薬会社がコスメ風に作ったもの。花粉症の薬も多種多様に出ていますが、「外から守る」系としては、マスクなどに並ぶもの。確かに、花粉の季節は鼻だけでなく、肌もむずむずします。
薬としてもコスメとしても、面白いアプローチ&見せ方です。いかにもな製薬会社っぽさがなく「化粧水ミストです!」という形ながら、花粉から肌も鼻も守るというのが期待感を煽ります。
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③春夏のニオイ対策:デリケートゾーン専用ソープ
『石澤研究所 ARGITAL(アルジタル) デリケートハイジーンソープ』
250ml ¥2,600 12月25日発売
春から夏の間ずっとニーズが高まるのがニオイ問題です。
髪や汗や皮脂対応のアイテムが続々登場しますが、まさにイマドキなのがデリケートゾーン専用のソープです。ニオイやトラブルの原因をやさしく洗い流す、100%天然由来のデリケートゾーン専用のソープ。
日本でもピュービックケアの意識が芽生え、V・I・O脱毛が浸透しつつあることから、この手の市場はさらに拡大しそうです。
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★「週刊粧業」にもコラム連載中です!
2014年2月24日発行号の「週刊粧業」にこちらの記事が掲載されました。
ハーフ顔、すっぴん風薄盛りメイクなど、昨年からガラリと顔トレンドが変化しています。
そこで今回は、昨年末に発売された“新しい顔”トレンドに対応したアイテムをご紹介したいと思います。
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①太眉メイク
『カネボウ化粧品 コフレドール Wブロウデザイナー スターターセット』
全3種 ¥1,800 12月16日限定発売
ひとつ目は太眉メイク。あのオシャレ番長の篠田麻里子も太眉チェンジで印象がガラリと変わり、年明けのネットニュースでファンたちに賛否両論を呼んでいました。
そんなオシャレチャレンジャーに親切なアイテムがこちら。パウダーとペンシルがふたつ入っていて、自然な眉が簡単に描けるスターターセットです。
トレンドといえど意外と太眉メイクって難しいもの。生まれつきの眉毛の形をうまく活かして、いかにキレイにイマドキっぽく整えられるかがカギなので、かゆいところに手が届くセット提案です。
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②カラコンメイク
『石澤研究所 トレンドホリック ブラウンマスカラ』
¥1,500 12月5日発売
ふたつ目はカラコンメイク。ローラを筆頭とするハーフメイク全盛で、カラコンがマストアイテムになった今、マスカラもカラコン専用のものが登場。
カラコン専用といっても、要は茶色のマスカラです。茶色は40代以上の人には、昔ブレイクしたカラーマスカラという古い印象があるかもしれません。現に、マスカラは黒しか出しませんというメーカーが多数あったという時代が続いていましたし。でも、ハーフ顔のブームでは、ブラウンのマスカラが黒いマスカラを使うよりも自然な時代なのです。
さらに、「カラコン盛れる」とキャッチで明言しているのでわかりやすい。カラコンとコーディネイトして、ハーフな瞳に見せる、というのはたしかにアリ。ピンク系の茶色かゴールド系の茶色かなど、微差を突き詰める女子も増えそうです。
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③一重&奥二重専用メイク
『花王 オーブ クチュール デザイニングインプレッションアイズⅡ』
全4種 ¥3,700 11月26日発売
こんなトレンド顔全盛の中、流行顔に全く興味が無いターゲットがいることも事実です。いや、むしろ、そう思う人の方が多いのかもしれません。
一重&奥二重でもアイプチやメザイクを使うのが当たり前の時代、そこまで変身メイクに興味がないというターゲットの心に響いたのが、こちらのアイテム。
コンプレックス解消メイクと言うと、いろいろなコスメを駆使した裏ワザ的な感じでしたが、1アイテムで解決できる「これさえあれば!」というアイテムは、メイクに興味がない一般層も取り込めそうです。
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★「週刊粧業」にもコラム連載中です!
2014年1月27日発行号の「週刊粧業」にこちらの記事が掲載されました。
9月~10月に発売した新商品の中で、私が注目したのは「貼る」タイプの化粧品が増えたことです。
そこで今回は、「貼る××」というヒットの法則をとりあげます。
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①肌トラブルに貼る透明パッチ
『MISSHA スピーディ AT パッチ』
8シート ¥686 10月1日発売
肌トラブルに貼る透明パッチ。見た目が気になったり、痛みを伴ったりして少しでも早く治したいニキビなどを、保護しながら密閉して働きかけるというコンセプトです。
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②貼るアイライナー
『ランコム イプノ ヴルゥル』
¥3,000 10月25日限定発売
また、メイクでは「貼るアイライナー」も登場。3種類の「つけるアイライン」でメイクアップアーティストが描くキャットアイを再現するという、アイライナーパッチ。
「貼るアイライナー」も「肌トラブルに貼る透明パッチ」も、1回は面白半分で買ってみたいと思わせる商品ではないでしょうか?
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③大人専用のアイプチ
『エクスボーテ アイリッドボーテ』
7ml ¥5,460 10月1日発売
「貼る××」という糊のような発想で、定番化したアイテムはなんといってもアイプチではないでしょうか?
こちらは大人専用のアイプチ。瞼がたるんで二重がハッキリしなくなった、左右非対称になった…といった大人特有の目もとの悩みに対応したアイプチ的なアイテム。
目もとはもちろんパッチリしたい、でも、安いアイテムで大事な目元の皮膚を傷めるわけにはいかない…。アイプチ年齢も上がってきた今日この頃、ほしい!という人多そうです。それを「アンチエイジングのスキンケア感覚」で堂々と訴求!というのは、ニッチな通販コスメではなくメジャーなブランドが出したことに注目しています。
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【その他の注目商品】
秋冬シーズンは、社運をかけたアンチエイジングスキンケアが投入される時期で、最先端科学に着目した高価格アイテムが続々と登場します。昨年に続き、今年も「幹細胞」に着目したものが流行していますが、独自の路線で目立っているのが以下の3つです。
『ランコム レネルジーRP』(30ml ¥13,000 10月4日発売)は「血小板注射」、『アルビオン エクラフチュール』(40ml ¥10,000 10月18日発売)は「薬剤を患部に効率的に届ける目的で作られたデリバリーシステム」で、本格的な医療に着想を得た発想をアピールして美容イノベーター向けに存在感を示しています。また、『資生堂 エリクシール エリクシール シュペリエル エンリッチドセラム』( 35ml ¥7,500 9月21日発売)は、「吊り型コラーゲン」という独自の皮膚理論をアピール。定番であるコラーゲンのわかりやすさと、「吊り型」というインパクトで幅広い層に受けそうです。
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★「週刊粧業」にもコラム連載中です!
2013年11月25日発行号の「週刊粧業」にこちらの記事が掲載されました。
今回は、8月~9月に発売した新商品より、『××しながら○○できる商品』というヒットの法則をとりあげます。
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①眉ケアしながら眉メイク
『アヴァンセ ジョリ・エ ジョリ・エ 2Way アイブロウ』
全2色 ¥1,200 9月4日発売
美容液成分配合で、ペンシル+パウダーが1本になった2ウェイタイプの「眉毛ケアしながら、自然な太眉を描けるアイブロウ」です。
最近は、ナチュラルな太眉が流行中。そんなトレンドをしっかりキャッチして、まつ毛美容液が有名なブランドだからこその強みを生かし、トレンドメイクに敏感な層にアピールできそうです。
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②美白しながら小じわケア
『クラシエホームプロダクツ肌美精 薬用美白&乾燥小じわケア 化粧水』
180ml 他3品 すべてオープン価格 9月17日発売
肌悩みはどれか1つということはなく、あれも気になるこれも気になるもの。
今までは美白なら美白、小じわなら小じわ、とそれぞれ対応するシリーズを展開するのが一般的でしたが、2つのトラブルケアを同時に叶えることは当たり前になりつつあります。
中価格帯スキンケア市場では、コーセーのアスタブラン シリーズが「ハリも美白もケアできるスキンケア」としていち早く訴求していましたが、今年はその流れが低価格スキンケアに浸透したというわけです。
この流れの背景には、消費者は、もはや単一の効果訴求では響かなくなっていることがあります。
理由のひとつに、1本で何役もの効果をうたうオールインワンケアブームにあることが考えられます。
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③保湿ケアしながら復元ケア
『ロート製薬 肌研(ハダラボ) 極潤 3D形状復元ゲル』
100g オープン価格 8月24日発売
オールインワンスキンケア市場は、500億に届くとも予測されていますが、この1年で確実に変化しています。
1年前には、形状記憶をコンセプトにした資生堂の『アクアレーベル スペシャルジェルクリーム』が、発売から1カ月で出荷個数58万個を売ったというニュースがありました。
今年はそのユーザーを奪うべく、資生堂同様にロート製薬から、「形状」というワードを使った新商品が登場しました。
もはや、ベンチャー系単品通販の一発アイテムではなく、大企業の本気のシェア争いアイテムになっています。
オールインワンスキンケア市場は拡大しているといえますが、ベンチャー系通販には厳しい競争が強いられます。
新たなヒット企画を模索すべき時期がきたといえそうです。
追記※擬似的にリフトアップ実感を感じさせるアンチエイジングコスメ増えてきましたね。
「復元ケア」というという新しいジャンルといってもいいかもしれません。
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★「週刊粧業」にもコラム連載中です!
2013年10月7日発行号の「週刊粧業」にこちらの記事が掲載されました。
消費者の不満を解消する画期的なアイデアは、ヒット商品になる重要な条件です。
今回は8月に発売したアイメイクの不満を解消するユニークな新製品3つをご紹介します。
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①「最後まで使えない不満」を解消したマスカラ
『ヘレナ ルビンスタイン シュールレアリスト エバーフレッシュ スマッジプルーフ』
全1色 ¥5,880
「エバーフレッシュ テクノロジー」により、使い始めから使い切るまで、なめらかさが続くマスカラ。
容器が二重構造で、口径とブラシ径を緻密に計算し、空気の混入を抑え、また使用の度にブラシによりバルクが攪拌される…という工夫がなされているそう。
マスカラのセールスポイントといえば、仕上がりの美しさや持ちの良さがメインですが、品質の安定性を訴求したものは新しい。
マスカラは、どんなに仕上がりがキレイでも、使っているうちにダマになってきたり、乾燥してくるもの…と、多くの人があきらめていたと思いますが、その問題点を改善した商品は、非常に魅力があります。
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②「メガネにまつ毛があたる不満」を解消したマスカラ
『伊勢半 メガネっこ ボリュームマスカラ&目尻ロングマスカラ』
各7g ¥1,050
ブランド名が「メガネっこ」で、ターゲットがメガネ女子という、的を絞った大胆な企画。
レンズにつけまつ毛や盛ったマスカラがついてしまうという悩みを解消するために、いっそレンズのない「フレームだけのメガネ」が流行ったりもしましたが、度付きの普通のメガネ使用者だとそういうわけにもいかず。
でもこのシリーズは、まつ毛を上向きに(ボリューム)&目尻方向に(目尻ロング)それぞれクセづけることで、レンズ付着悩みに対処。
本気感たっぷりのスキマ系ヒット狙いの商品です。
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③「ビューラーで肉をはさむ不満」を解消したビューラー
『シュウウエムラ S カーラー』
¥1,470
さまざまな目の形に対応できるサイドバーフリーのビューラー。
まつ毛がまぶたの邪魔なお肉に埋もれている腫れぼったいまぶたの人に好評だとか。
が、今までにない形のビューラーで、なれるまでは使いづらい人も多い模様。
習慣を変える商品は、なかなか大ヒットに結びつきにくいのですが、こういうイノベーションのある商品開発姿勢はさすがシュウウエムラ魂。
単品のヒットにならないかもしれませんが、このチャレンジスピリットは、愛され続けるブランドとしての信頼性をさらに増す企画になるはずです。
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