イマドキ女性図鑑

トレンド分析のプロがイマドキ女性を解説
イマドキ女性図艦 File No.55「デニムファッション女子」
イマドキ女性図鑑_デニムファッション女子

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N美●女性潮流研究所・研究員。

アパレルを経て現在は化粧品会社勤務。ファッションも美容もトコトン追及の27歳。座右の銘は「オシャレは我慢」。

 

H瀬●女性潮流研究所・所長。

トレンドシンクタンク「女性潮流研究所」を運営しながら、本業は女性ビジネスの商品企画コンサルタント。
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N美:雑誌やキュレ―ションサイトをみても「デニム!デニム!デニム!」の特集だらけですね。ダサい!イメージがあった「デニムonデニム」は今やモデルやオシャレ上級者が取り入れています。

 

 

H瀬:ファッションのモード最先端であるコレクションからのデニム流行りというのもありますが、このところの「ベーシック」とか「ハンサム」の流れにぴったりハマるんですよね。デニムは「正解アイテム」なんですよね。デニムを着ておけばとりあえず“今っぽい”。

 

 

N美:ボトムやジャケットだけでなくトップスや靴までもがデニムブームです。ここ最近ファッション、ヘアーともに定番化しつつある”こなれ感”、少しハズすことにより垢抜けた印象を作るというものですが、デニムはちょうどいいアイテムなんですよね。

 

 

H瀬:“こなれ感”ってファッション誌で3年ほど言われ続けていて定番化しつつあるワードなんですが、一体、何をやったら“こなれ”るのかピンとこなかった。

 

「今の“こなれ”はデニムコーデだよ!」って言われたら、わかりやすくて飛びつきますよね。とはいえ「デニムonデニム」でこなれ感を出すの、難しそうですが。

 

 

N美: 私も友達がデニムonデニムスタイルをしていたので、感化され次の日にはチャレンジしました。やはり、トレンドは早い段階で取り入れ、街を歩いたりショッピングしたりすると、トップスを変えた方が良いとか靴はこっちの方が合うとかショップのお姉さんと相談して改善したり。難易度があるアイテムはそういうのが楽しいんですよね。

 

Instagramのハッシュタグで「#OOTD」(Outfit Of The Day)という言葉があるくらい、最近は自分のコーディネートを自慢というか披露するのが流行ってます。

 

H瀬:最近、ガウチョパンツとかデニムonデニムとか、コーデが難しいトレンドアイテムが昔よりも流行するようになりました。モテるとか可愛く見えるだけじゃなくファッションを楽しみたいというニーズが高まっているんですよね。難易度高めのアイテムで、自分なりのコーデを考えて、先ほどの「Instagram #OOTD」や、「iQON」「WEAR」などのコーディネイトアプリやサイトなどでお披露目するという流れ。

 

「見せる」部分のサービスが充実したことによって、ファッションにおける「買う→着る→見せる」という3大欲求が簡単に満たされるようになったのは、女性ビジネスの新しい潮流ではないでしょうか。


 

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お知らせ※
今月から「イマドキ女性図鑑」が新しくなりました!
「女性ビジネスのプロ」と「トレンドマニア女子」の皆様向けのディープな内容にバージョンアップします。
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イマドキ女性図艦 File No.53「ギュッとされたいニット女子」
イマドキ女性図鑑_ギュッとされたいニット女子

●ファッション誌の憧れは少女マンガ!
流行語大賞候補にもなった「壁ドン」は、少女マンガ「L♥DK」からブームに火がついて、壁ドン・顎クイ(男性に顎をクイッとつままれてキスされる)・ギュッとされる(後ろからギュッと抱きしめられる)など、まるで少女マンガのようなストレートな恋愛や愛されシチュエーションへの憧れが強まっています。

2014~2015年の冬のシーズンの女性誌の見出しにも早速その傾向が反映され、「壁ドンメイク」「ギュッ♡とされるニット」といったキャッチコピーが20代を中心としたファッション誌数誌に登場していました。

●「トレンド」「モード」じゃテンションがアガらない!
「ギュッ♡っとされるニット」は、非常に上手い言い回し。そのまま商品のコンセプトになってもいいほどです。
シンプルなデザインのタートルニットはこの冬のトレンドアイテムの一つですが、特徴に欠けるアイテムゆえに購入時のテンションはやや低めです。
ところが「ギュッ♡とされるニット」と表現された途端に、誰と会うときに着て行こう?などの想像もふくらみ、特別な買い物をする気分にすることが可能です。

●モテるよりも特別に思われたい!
ファッションアイテムを売り出すための手法として「トレンド」「モード」だからでは通用しなくなって、「モテ」「愛され」というワードが登場したのですが、一般化してしまい差別化は不可能です。
そして、今は、「不特定多数の人にモテたい」ではなく「誰かに特別に思われたい」という気分の方が高まっています。

それぞれが持つ気持ちを刺激するようなキャッチコピー、今の時代にぴったりの言葉と言えるのではないでしょうか?

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会員制マーケティングレポート「月刊 女性潮流研究所」より、表紙の連載、イマドキ女性図艦 File No.52「オシャレ朝食女子」をご紹介します。

オシャレ朝食女子

今年の食トレンドといえば、何といっても「見せるための朝食」だったのではないでしょうか。

誰もが食べているというブームではないものの、パンケーキにグラノーラ、アサイーボウル、エッグベネディクト。グリーンスムージーにコールドプレスジュースなどの話題を見る機会がこの1年でぐっと増えました。
朝食を写真で切り取りネットを介して人に見せるブームです。 オモシロイのは朝食はランチや夕食とはちょっと違う気分でアピールされる点です。「料理」を知らせたいというよりも、「こんな朝食を食べるワタシ」を知らせたいというわけです。

例えば、「モテ可愛系女子」たちはスイーツのように美しいパンケーキを囲んだ“朝食女子会”を楽しみ、欧米のモードにも関心の高い「ファッショニスタ系女子」は、スムージーよりさらにヘルシーなコールドプレスジュースをテイクアウト。「ゆるナチュラル系女子」は、バランスのとれた彩り朝食をワンプレートにコーディネート。

昼や夜の外食以上にその人のプライベートを感じられる一方で、マネするのもハードルが高くないという見る側のメリットもあるというのも「見せる朝食」ブームの要因と言えるでしょう。

 

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会員制マーケティングレポート「月刊 女性潮流研究所」より、表紙の連載、イマドキ女性図艦 File No.51「清楚系ギャル」をご紹介します。

清楚系ギャル

街ではクリスマスの飾り付けも始まり、メディアでは今年のトレンドも発表されはじめ、一年総まとめモードが高まっています。女性トレンドのシンクタンクとして、最も多かったのは 「ギャルたちはどこへ行ってしまったのでしょう?」という質問でした。確かに、アゲアゲ、盛り盛り…という「ザ・ギャル」な人種、ここ1年で激減しました。

 

ギャルという人種が、そのキャラとも相まって元気だった時代は、古くは20年近くさかのぼります。安室奈美恵からはじまり、浜崎あゆみや安西ひろこなど、「国民的ギャル」が若い女子の憧れを集めて牽引してきました。それも益若つばさ以降、現れていません。それはなぜでしょうか?

 

ギャルのアイデンティティーは、「ウチらこんなのもできちゃうし~」と意外なモノをファッション化することつきます。
しかしギャルの目印(例:ヒョウ柄・キラキラ・つけま・カラコン・茶髪・独特な発色のコスメ…)も、「儲かる」と気づいた途端に、さまざまな企業が商品としてパッケージ化するようになりました。
一般の女子にとっては、どこで買えば良いかわからなかった(または、どうやって使えば良いかわからなかった)、怪しいような(または、いかがわしいような)手に届きにくかったチャレンジングなギャルアイテムでしたが、いつものショップやネットで“安心・安全・インスタント”にパッケージされた状態で、気軽に手に入れられるようになりました。
「ギャル」はビジネスとなり、大人たちのものとなり、急速にギャル文化が市場で消費し尽くされてしまったのです。
究極の盛り盛りアゲアゲの姉ギャル系キャバ嬢をメインターゲットとした女性ファッション誌「小悪魔ageha」の部数のピーク(40万部発行・30万部販売)は2008年、最後の「国民的ギャル」益若つばさが「100億円ギャル」「経済効果500億円以上」と言われていたのが、2009年頃です。(http://www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20090610/Cyzowoman_200906_post_607.html
このように明確かつ巨大な数字でそろばん勘定され始めたのが終わりの始まりだったのかもしれません。
1995年(アムラー)から始まったギャル市場の一般化は、2009年頃にピークを迎え2011年の東日本大震災以降、急激に衰退していったのです。

 

ギャル市場が冷え込んだからといってギャルがいなくなったのではありません。マニアック化して一般の人にはわかりにくくなっただけなのです。
例えば、今年現れたのが「清楚系ギャル」という新しいタイプ。
旬のファッション(この秋ならミモレ丈スカートなど)に暗髪・白肌ですが、着こなしやメイクで見る人が見ればちゃんとギャルだとわかる。そういうマニアック化をしているのです。
清楚系になるのは、もうギャルをやめたと考えられがちですが、ギャルであり続けるためなのです。「ウチらこんなのもできちゃうし~」という承認欲求がいきなり無くなるはずはないのです。

 

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会員制マーケティングレポート「月刊 女性潮流研究所」より、表紙の連載、イマドキ女性図艦 File No.50「いいね!欲しがり女子」VS「こじらせ開き直り女子」をご紹介します。

イイね!欲しがり女子&こじらせ開き直り女子

正反対のような2タイプの女子が今回のテーマです。

まずはSNS全盛時代を象徴する「いいね!欲しがり女子」。

「いいね!」とは、Facebookの友達の投稿に対して、共感・好感などを示すボタン。

「『イイね!』される写真ってどう撮るの? セルフィーの達人になる!」(VoCE9月号)、「『いいね!』の増やし方、教えます! SNSでリア充に見せる25の方法!」(JELLY9月号)など、雑誌の特集になるほど、気になるテーマになっています。

今やSNSは、単に“自分が発信したいものを発信する”メディアではなく、“いけてる自分を演出する”ツールになっていると言えるでしょう。

 

美味しそうな料理、可愛いネイル、買ったばかりの新作ドレスなどなど、自分のリア充ぶりをアピールするモノだけでなく、旅先での美しい風景や虹など、「ハッピーのおすそ分け」的な写真も織り交ぜ、「いいね!」してくれるギャラリーを強く意識。

ファッション、コスメ、フードといった、いかにも女子好きするジャンルの投稿からは、女子であることを楽しんでいる姿が伝わってきます。

それらを見る男友達に可愛いと思われたい、好かれたいというようなモテ追求とは違って、「素敵なワタシ」像への自己満足をさらに深めるために、他人からの「いいね!」評価を欲しがっているというのが、新しい人種らしいところ。

 

一方の、「こじらせ開き直り女子」。

こちらは、自分の中の女性性と上手く向き合えず、女子であることに苦悩するタイプ。

例えば今秋ドラマ化されるマンガ、「きょうは会社休みます。」も、こじらせ女子が主人公。

「彼氏いない歴=年齢」のアラサーOL、若い時はそれなりに恋愛への憧れもあったけれど、今や「どうせ私なんて…」とあきらめの境地に至っています。

このタイプ、開き直っているようで、「女子をこじらせて」(雨宮まみ著)などの本を読みながら、自分のこじらせ度を鬱々とチェックしてみたり、見た目も中身も女の子女の子しているモテ女子を、半分苦々しく、半分うらやましく思っていたり…。なんともややこしい。

 

この2つの人種、対照的に見えますが、「女子である自意識が非常に強い」という点で、実は共通しているのです。

「いいね!欲しがり女子」はその自意識が外に放出されているのに対し、「こじらせ開き直り女子」は内に閉じ込めている。

自分を客観的に見つめ、他人の目も気にするというところは、好感度を重視する最近の気分の象徴でもあるのです。

 

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  • 【FileNo.55】デニムファッション女子

    【FileNo.53】ギュッとされたいニット女子

    【FileNo.52】オシャレ朝食女子

    【FileNo.51】清楚系ギャル

    【FileNo.50】「いいね!欲しがり女子」VS「こじらせ開き直り女子」

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